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モーメント法

知識マップ

統計用語

ひとことで言うと

母集団の積率(平均・二乗平均など)と、標本から計算した積率を等しいと置いて、未知パラメータを求める方法です。最尤法より計算が簡単な場合に使われます。

こんなデータが従う

一様分布U(0,θ)のθの推定(θ̂=2X̄)正規分布のμ,σ²の推定ガンマ分布の形状パラメータの推定保険データの初期パラメータ推定(MLEの初期値として)ベータ分布のパラメータ推定

MLEが解析的に解けない(尤度方程式が複雑)場合の簡易な代替手段、またMLEの数値計算の初期値としてよく使われます。

標本の積率(点の集まりから計算)と母集団の積率(分布全体から計算)を等しいと置いて推定量を求める両方を等式で結び、θについて解く標本積率 (1/n)ΣXᵢᵏ=母集団の積率 E[Xᵏ]

標本から計算した積率(左)と母集団の積率(右)を等式で結び、未知パラメータについて解く。

数式で表すと

E[Xk]=1nXikE[X^k]=\tfrac1n\sum X_i^k

母積率と標本積率を等置して推定量を得る方法。U(0,θ)U(0,\theta) なら θ^=2Xˉ\hat\theta=2\bar X

モーメント法(積率法)は、母集団の積率 E[Xk]E[X^k] と標本の積率 1nXik\dfrac1n\sum X_i^k を等しいと置いて、未知パラメータθを求める方法です。1次の積率(平均)から始め、パラメータの数だけ高次の積率を使います。 例えば U(0,θ)U(0,\theta) の場合、母平均は E[X]=θ/2E[X]=\theta/2 なので、標本平均と等置すると Xˉ=θ/2\bar X=\theta/2、よって θ^=2Xˉ\hat\theta=2\bar X が求まります。パラメータが2つある場合(正規分布のμ,σ²など)は、1次と2次の積率の両方を使った連立方程式を解きます。 モーメント法は計算が直感的で簡単な反面、最尤法(concept: MLE)に比べて一般に効率が劣ります(分散が大きくなりやすい)。ただし、尤度方程式が複雑で解析的に解けないときの簡便な代替手段として、またMLEを数値的に解く際の初期値としてよく使われます。

試験に出る性質

基本アイデア

母集団の積率=標本の積率と置く。

1次積率(平均)

E[X]=1nXiE[X]=\frac1n\sum X_i。最も基本的なモーメント方程式。

パラメータの数=必要な積率の数

2パラメータなら1次・2次の積率を両方使う。

計算の容易さ

最尤法より解きやすい場合が多いが、効率(分散の小ささ)はMLEに劣ることが多い。

実務上の使われ方

MLEの初期値、または尤度方程式が解析的に解けないときの代替として使う。

例で見る

U(0,θ)からn=8個の標本を取り、X̄=5のとき、E[X]=θ/2=XˉE[X]=\theta/2=\bar X から θ^=2×5=10\hat\theta=2\times5=10

つまずきポイント

  • 使う積率の次数(1次,2次,…)とパラメータの数を一致させない
  • モーメント法の推定量を不偏推定量だと無条件に思い込む(一般には不偏性は保証されない)
  • 母集団の積率の式(E[X],E[X²]など)を分布ごとに正しく導出せずに公式を当てはめる

定着クイズ

U(0,θ)からの標本平均が7のとき、モーメント法によるθ̂は?

モーメント法の基本的な考え方は?

2つの未知パラメータを推定する場合、必要な積率の数は?

この用語を扱う問題(2