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生保数理・公式・第三分野・特約
がん・急性心筋梗塞・脳卒中に罹ったら給付する保険。罹患を「死亡と並ぶもうひとつの脱退原因」として2重脱退で扱う。死亡したときの給付がその時点の責任準備金そのものなら、死亡は計算から丸ごと消えてしまう——これが本試験で問われた最大の仕掛けである。
非罹患者は死亡と罹患の2方向に脱退する。死亡給付がその時点の責任準備金と同額なら、再帰式のなかで死亡が相殺され、保険料は罹患率と利率だけで決まる。
三大疾病非罹患者の集団が、死亡と罹患の2つの原因で減っていく2重脱退残存表を土台にする。
死亡給付が「死亡した保険年度末の平準純保険料式責任準備金」のとき、一時払純保険料は予定死亡率に依存しない
死亡者にも生存者と同じ を渡すため、再帰式のなかで の項が生存者の項と合流して消える。2024年度問題2(2)では予定死亡率が一切与えられておらず、これに気づくかどうかが分かれ目になる。
三大疾病罹患は死亡と並ぶ第2の脱退原因として、2重脱退残存表
(2024年度問題2(2)を参考にした例)保険期間5年・一時払、予定三大疾病罹患率 (年齢によらず一定)、予定利率 とする。罹患したらその保険年度末から満期まで年金額1の確定年金を支払い、非罹患のまま死亡したらその時点の責任準備金を支払うとする。
死亡給付が責任準備金なので死亡率は不要である。
三大疾病保障保険で「三大疾病非罹患者のまま死亡した場合、その保険年度末における平準純保険料式責任準備金を支払う」とされているとき、一時払純保険料が予定死亡率に依存しない理由として最も適切なものはどれか。
保険期間5年・一時払の三大疾病保障保険で、罹患したらその保険年度末から満期まで年金額1の確定年金を支払い、非罹患のまま死亡したらその時点の責任準備金を支払うとする。予定三大疾病罹患率 (年齢によらず一定)、 のとき、一時払純保険料に最も近いものはどれか。
保険期間 年の三大疾病保障保険で、第 保険年度に罹患した場合、「その保険年度末から満期日(満期日を含む)まで年金額1の確定年金」を支払う。この給付の第 保険年度末における価値はどれか。
がん・急性心筋梗塞・脳卒中の所定状態で給付する保険。各疾病の発生率を多重脱退的に扱い給付現価を評価する。
ここで は 歳の非罹患者数、 は死亡数、 は罹患数である。予定三大疾病罹患率は
と定義する。罹患した者が回復して非罹患者に戻ることはない、という前提が置かれるのが通例で、これによって残存表は一方向にしか動かなくなる。
死亡給付が責任準備金のとき、死亡率は消える
出題では「三大疾病非罹患者のまま死亡した場合、その保険年度末における平準純保険料式責任準備金を支払う」という条件が置かれる。このとき責任準備金の再帰式は次のようになる。
死亡した人にも生き残った人と同じ を渡すので、 とまとまり、 が式から消える。両辺を で割ると
となり、予定死亡率がどこにも現れない。だから設問で死亡率が与えられていなくても解ける。
再帰式を足し上げて閉じた形にする
罹患給付が「罹患した保険年度末から満期まで年金額1の確定年金」なら、第 保険年度末での価値は期始払の になる(罹患年度末が第1回の支払だから)。上の再帰式の両辺に を掛けて から まで足すと、 が望遠鏡的に相殺し、・ を使って
という閉じた形になる。 を代入すれば、等比級数2本の差に整理できる。
「罹患した者が回復して非罹患者に復帰することはない」という前提が置かれるので、残存表は一方向にしか動かない。予定罹患率は (絶対罹患率ではなく脱退率として定義される点に注意)。
罹患後の給付が満期までの確定年金なら、罹患した保険年度末での価値は期始払 になる
「その保険年度末から満期日(満期日を含む)まで」という条件は、罹患年度末が第1回の支払であることを意味する。支払回数は 回で、その時点から見れば期始払である(2024年度問題2(2))。
責任準備金の再帰式を から まで足し上げると が相殺し、一時払純保険料が閉じた形になる
を掛けて足すのが定石で、・ を使うと を得る。等比級数2本の差に整理できる。
を入れて計算すると
となる。よくある取り違えを数値で見ると、期始払 のかわりに期末払 を使うと0.135012、 を落とすと0.139537、支払回数を 回と数えると0.093322になる。とくに罹患した年度の年度末が第1回の支払という点を落とすと、大きくずれる。