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確率用語

ひとことで言うと

免責(deductible)は「クレーム額 XX のうち、一定額 dd までは契約者が自己負担し、超えた分だけ保険会社が支払う」しくみです。支払額は Y=max(Xd,0)Y=\max(X-d,0)。クレーム額が指数分布なら、無記憶性のおかげで期待支払額がとても簡単に計算できます。

クレーム額X〜Exp(λ=0.1)の密度曲線。免責額d=5の縦線より左(X≤d)は保険会社が支払わず、右の斜線領域がX>dで生じる支払い対象。指数分布の無記憶性により、d超過分の条件付き期待値E[X-d|X>d]は最初からの期待値E[X]=10に等しくなる免責d超過分(斜線)を支払う。無記憶性でE[X-d|X>d]=E[X]d=5支払い領域 X>d密度クレーム額 X

クレーム額 XExp(λ=0.1)X\sim\mathrm{Exp}(\lambda=0.1) の密度。免責額 d=5d=5 の縦線より左(XdX\le d)は支払い対象外、右の斜線領域が X>dX>d で生じる支払い分。指数分布の無記憶性により、超過分の条件付き期待値 E[XdX>d]E[X-d\mid X>d] は最初からの期待値 E[X]=10E[X]=10 に等しくなる。

数式で表すと

E[Y]=P(X>d)E[XdX>d]E[Y]=P(X>d)\,E[X-d\mid X>d]

免責額 dd の保険で支払額 Y=max(Xd,0)Y=\max(X-d,0)。指数では無記憶性で期待値が簡単に出る。

免責(deductible)とは、損害保険でよく使われるしくみで、クレーム額 XX のうち免責額 dd までは契約者の自己負担とし、それを超えた分だけを保険会社が支払う取り決めです。保険会社の支払額 Y=max(Xd,0)Y=\max(X-d,0) の期待値は E[Y]=P(X>d)E[XdX>d]E[Y]=P(X>d)\cdot E[X-d\mid X>d] と分解できます(「超える確率」×「超えたときの平均超過額」)。 ここで concept: 無記憶性が威力を発揮します。クレーム額が指数分布 XExp(λ)X\sim\mathrm{Exp}(\lambda) のとき、無記憶性により E[XdX>d]=E[X]E[X-d\mid X>d]=E[X] です。「免責を超えた分の期待値」は「ゼロからの期待値」と同じで、dd の大きさに依存しません。これは指数分布だけがもつ特別な簡略化です。 具体例:XExp(λ=0.1)X\sim\mathrm{Exp}(\lambda=0.1)(平均 E[X]=10E[X]=10)、免責額 d=5d=5P(X>5)=e0.1×5=e0.50.6065P(X>5)=e^{-0.1\times5}=e^{-0.5}\approx0.6065 E[X5X>5]=E[X]=10E[X-5\mid X>5]=E[X]=10(無記憶性) E[Y]=0.6065×106.065E[Y]=0.6065\times10\approx6.065 免責なし(d=0d=0)の期待支払額 1010 より下がり、免責は保険会社の期待支払額を引き下げる(保険料を抑える、少額クレームの事務コストを避ける)道具として機能します。

試験に出る性質

支払額の定義

Y=max(Xd,0)Y=\max(X-d,0)。クレーム XX が免責 dd 以下なら支払いなし、超えたら超過分だけ支払う。

期待支払額の分解

E[Y]=P(X>d)E[XdX>d]E[Y]=P(X>d)\cdot E[X-d\mid X>d]。「超える確率」×「超えたときの平均超過額」。

無記憶性による簡略化

指数分布なら E[XdX>d]=E[X]E[X-d\mid X>d]=E[X](concept: 無記憶性)。超過分の期待値は dd に依存せず E[X]E[X] に等しい。

超過確率

指数分布では P(X>d)=eλdP(X>d)=e^{-\lambda d}(生存関数)。免責が大きいほど支払い発生確率は小さくなる。

免責の効果

期待支払額は免責なしの E[X]E[X] より小さくなる。例では 106.06510\to6.065。保険料抑制・少額クレーム回避に使う。

例で見る

クレーム額 XExp(λ=0.1)X\sim\mathrm{Exp}(\lambda=0.1)(平均 1/λ=101/\lambda=10)、免責額 d=5d=5P(X>5)=e0.50.6065P(X>5)=e^{-0.5}\approx0.6065。無記憶性より E[X5X>5]=10E[X-5\mid X>5]=10。 よって E[Y]=0.6065×106.065E[Y]=0.6065\times10\approx6.065。免責なしの期待支払額 1010 より小さくなる。

つまずきポイント

  • E[XdX>d]=E[X]E[X-d\mid X>d]=E[X] がどんな分布でも成り立つと思う(これは指数分布の無記憶性ゆえ。一般の分布では成り立たない)
  • 期待支払額に P(X>d)P(X>d) を掛け忘れる(支払いが起きるのは X>dX>d のときだけ。超過分の平均だけでは過大評価になる)
  • 支払額 YYXdX-d とだけ書いて負を許す(正しくは max(Xd,0)\max(X-d,0)XdX\le d では支払い0でマイナスにはならない)

定着クイズ

免責額 dd の保険での支払額 YY の式は?

XExp(λ=0.1)X\sim\mathrm{Exp}(\lambda=0.1)d=5d=5 のとき P(X>5)P(X>5) は?

指数分布で E[XdX>d]E[X-d\mid X>d]E[X]E[X] に等しくなる理由は?

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