到達年齢方式とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・財政方式の体系
ひとことで言うと
いま何歳かを基準に、そこから定年までの将来期間分だけを平準化して保険料率を決める方式。過去期間分は未積立債務にまわす。加入年齢方式が「将来加入してくる人」を見るのに対し、到達年齢方式は「いま在職している人」を見る。
3つの保険料率は数直線上に並び、開放基金方式は必ず他の2つの間に入る。位置は人数現価の比で決まるので、逆に位置から比を逆算できる。
数式で表すと
P=GS将来期間分 (現在の被保険者の到達年齢で計算) 現在の年齢(到達年齢)から定年までの将来期間分について平準保険料率を決める方式。過去期間分は未積立債務として償却する。加入年齢方式と開放基金方式の中間に位置づく。
到達年齢方式は、現在の被保険者について、いまの年齢(到達年齢)から定年までの将来期間分の給付を平準化して標準保険料率を決める方式である。
AP=GaSFSa
試験に出る性質
標準保険料率は在職者の将来期間分の給付現価を給与現価で割る
AP=SFSa/Ga
例で見る
<計算の前提>
・B1・B2 と同じトイモデル。SFSa=13,369.29、Ga=5,135.60
つまずきポイント
- 分子に過去期間分 SPSa を入れない。到達年齢方式が標準保険料でまかなうのは将来期間分だけである。
- 「到達年齢方式」と「加入年齢方式」を名前で取り違えない。到達年齢方式は現在の年齢を基準にする。
- OANP が中間に来ることは常に成り立つが、
定着クイズ
Q1到達年齢方式の標準保険料率 AP を表す式として正しいものはどれか。
Q2到達年齢方式・加入年齢方式・開放基金方式の3つの標準保険料率の関係について、常に成り立つものはどれか。
Q3AP:EP:OANP=a:b:c が成り立つとき、Gf/Ga を表す式として正しいものはどれか。
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分子は在職者の将来の加入期間に対応する給付現価、分母は在職者の給与現価(Trowbridge モデルなら人数現価)である。過去期間分 SPSa は標準保険料でまかなわず、未積立債務として特別保険料で償却する。
・到達年齢方式:AP=SFSa/Ga(いまの在職者だけ)
・加入年齢方式:EP=Sf/Gf(将来加入見込者だけ)
・開放基金方式:OANP=(SFSa+Sf)/(Ga+Gf)(両方)
分子どうし・分母どうしを足したものが開放基金方式なので、開放基金方式は到達年齢方式と加入年齢方式の加重平均になる。
OANP=Ga+GfAPGa+EPGf
したがって OANP は必ず AP と EP のあいだに来る。3つの比が与えられれば Gf/Ga が逆算できる、というのが本試験の使い方である。
AP:EP:OANP=a:b:c とすると、上の加重平均を整理して
GaGf=c−ba−c
が出る。c が a と b のあいだにあるので分子・分母とも同符号になり、比は正になる。c が b に近いほど Gf が大きい——将来加入見込者の重みが大きければ開放基金方式は加入年齢方式に寄る、という自然な読み方ができる。
。過去期間分
は標準保険料でまかなわず、未積立債務として特別保険料で償却する。2018年度問題1(5)の解答は、この定義式から書き出している(5点)。
開放基金方式は到達年齢方式と加入年齢方式の加重平均
分子どうし・分母どうしを足した形なので OANP=(APGa+EPGf)/(Ga+Gf) になる。したがって OANP は必ず他の2つのあいだに来る。3つの大小を問う設問ではこれが根拠になる。
3つの比から人数現価の比を逆算できる
AP:EP:OANP=a:b:c のとき Gf/Ga=(a−c)/(c−b)。c が a と b のあいだにあるので分子・分母とも同符号になり比は正になる。c が b に近いほど Gf が大きい。2018年度問題1(5)はこの逆算を10択で問うた(5点)。
加入年齢方式との違いは「誰を見るか」
到達年齢方式はいま在職している人の将来期間、加入年齢方式は将来加入してくる人を見る。同じ制度でも母集団が違うので保険料率は一般に一致しない。
・Sf=329,812.82、Gf=132,564.40
・到達年齢方式 AP=13,369.29/5,135.60=2.603257
・加入年齢方式 EP=329,812.82/132,564.40=2.487944
・開放基金方式 OANP=(13,369.29+329,812.82)/(5,135.60+132,564.40)=2.492245
たしかに EP<OANP<AP である。
5,135.60+132,564.402.603257×5,135.60+2.487944×132,564.40=2.492245
で(1)と一致する。Gf が Ga の約26倍あるので、開放基金方式はほとんど加入年齢方式の値になっている。
AP:EP:OANP=a:b:c から Gf/Ga を求める設問である。
c(Ga+Gf)=aGa+bGf ⟹ (c−b)Gf=(a−c)Ga ⟹ GaGf=c−ba−c
公式解の(D)と一致する。トイモデルの数値を入れると
2.492245−2.4879442.603257−2.492245=25.81
で、実測の Gf/Ga=132,564.40/5,135.60=25.81 と一致する。
と
のどちらが大きいかは制度によって変わる。順序を暗記しない。
Gf/Ga=(a−c)/(c−b) を使うとき、a・b・c の対応(a が到達年齢方式)を取り違えると符号が反転する。