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年金数理・公式・財政決算と差損益
実際の昇給が予定と違ったことから生じる損益。給付も保険料も給与に比例する制度では、昇給が予定を上回ると責任準備金が同じ割合で膨らむので損失になる。給与という変数がない制度では発生しない。
給与比例制では実際の昇給が予定を上回ると責任準備金だけが同じ割合で伸び、積立金は伸びない。差がそのまま不足として残るので、昇給の上振れは損失になる。
実際の昇給が予定と違ったことから生じる損益。給与比例制では給付額が給与に連動するため、昇給の上振れは責任準備金を増やして損失になる。
昇給差損益は給与比例制の制度でだけ発生する。
給付も保険料も給与に比例する制度では、実際の昇給が予定より だけ上回ると の割合で責任準備金がそのまま膨らむ。積立金は増えないので
となる。昇給が予定を上回るのは損失である。給与が上がって嬉しいのは加入者であって、制度の財政ではない。
昇給差損益は
は実際の昇給と予定の昇給の乖離率である。昇給が予定を上回るのは制度の財政にとって損失になる。
責任準備金が同じ割合で膨らむのは給与比例制だから
<計算の前提>
・B1〜B4 のトイモデルは給付も保険料も定額なので昇給差は構造的に発生しない。ここでは同じ規模の制度を給与比例制に読み替えて考える
・予定どおりに推移した場合の期末責任準備金は (新規加入者の分を含まない)
・実際の昇給が予定を パーセント上回った
(1)昇給差損益
給付も保険料も給与に比例する制度で、予定どおり推移した場合の期末責任準備金が である。実際の昇給が予定を パーセント上回ったとき、昇給差損益に最も近いものはどれか。ただし新規加入者は考えない。
給与比例制の制度で、実際の昇給が予定を上回ると責任準備金が同じ割合で増える理由として適切なものはどれか。
昇給差損益の計算で、乖離率を掛ける相手として正しいものはどれか。
関連問題は現在準備中です。
なぜ責任準備金が同じ割合で増えるのか
給付現価も給与現価も給与に比例するので、 の両方の項が同じ 倍になる。したがって も 倍である。標準保険料率が給与に対する一定割合として設定されているから成り立つ性質で、定額の制度では成り立たない。
新規加入者の分は除く
を掛ける相手はその期に既にいた被保険者の責任準備金である。期末に新しく加入した者の責任準備金は昇給の対象になっていないので、掛ける前に除く。
定額制では構造的にゼロ
給付が「勤続年数かける定額」のように給与と無関係な制度では、昇給がいくらずれても責任準備金は動かない。「4つの利源が必ず出る」と思い込まない理由がここにある。
給与総額の変動は別の経路でも効く
特別保険料を給与に対する率で設定している制度では、給与総額が変われば特別保険料収入現価も変わる。これは昇給差ではなく特別保険料収入現価の変動による損益で、別の利源として扱う。
掛ける相手から新規加入者の分は除く
その期に新しく加入した者の責任準備金は昇給の対象になっていない。平成28年度問題4(3)③はこの控除を明示的に求めている。
定額制の制度では構造的にゼロ
給付が給与と無関係なら昇給がいくらずれても責任準備金は動かない。利源の顔ぶれは制度設計で決まる。
給与総額の変動は特別保険料収入現価にも効く
特別保険料を給与に対する率で設定していると、給与総額の変化で特別保険料収入現価が動く。これは昇給差とは別の利源として扱う。
(2)なぜ責任準備金だけが増えるのか
の も も給与に比例するので、両方が 倍になり も 倍になる。一方で積立金は既に運用に回っている資産なので、昇給しても増えない。
(3)定額制ならゼロ
もとのトイモデルは年金額が の定額なので、給与がいくら動いても も も変わらない。したがって昇給差は である。同じ規模・同じ利回り・同じ脱退でも、制度設計が違うだけで利源の1つが丸ごと消える。