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会計・用語・資産・有価証券の会計
時価とは「今これを買うといくらか」ではなく「今これを手放すといくらもらえるか」。売る側の目線(出口価格)で測るのが出発点で、その値をどれだけ確かなデータで裏づけられるかを3段階に格付けしたものがインプットのレベル。
レベルは優先順位づけされ、併用時は最も低いレベルに分類する(最も高いレベルではない)。
算定日において市場参加者間で秩序ある取引が行われると想定した場合の、資産の売却によって受け取る価格または負債の移転のために支払う価格(出口価格)。算定に用いるインプットはレベル1〜3に優先順位づけされる。
時価は、算定日において市場参加者間で秩序ある取引が行われると想定した場合の、資産の売却によって受け取る価格または負債の移転のために支払う価格と定義される。新規に資産を取得したり負債を引き受けたりするための価格(入口価格)ではない点が定義の要である。
時価の算定に用いるインプットは、次の3レベルに優先順位づけされる。
・レベル1:算定日において企業が入手できる、活発な市場における同一の資産・負債の相場価格。調整を加えていないもの。 ・レベル2:レベル1以外の相場価格で、直接または間接的に観察可能なもの。類似の資産・負債の相場価格や、観察可能な市場データで裏づけられた評価額を含む。 ・レベル3:観察可能な市場データは入手できないが、入手できる最良の情報にもとづいて算定された、市場参加者が価格設定に用いるであろう仮定を反映した評価額。
複数のレベルのインプットを併用した場合、時価はそのうち最も優先順位の低いレベルに分類する。全体の信頼度は最も弱いインプットに引きずられる、という考え方である。
なお、時価には観察可能な市場価格だけでなく、合理的に算定された将来キャッシュ・フローの割引現在価値も含まれる。このことから、時価に代えて公正価値という用語が用いられることもある。
時価は出口価格。資産の売却によって受け取る価格、または負債の移転のために支払う価格である
2019年度問題3(2)は、この定義を「新規の資産取得や負債引受のための取引における価格」(入口価格)と書き換えた(A)が誤りの肢として正解になった。定義の書き換えは1語で成立するので狙われやすい。
複数のレベルのインプットを併用したときは、最も優先順位の低いレベルに分類する
2022年度問題3(1)は、この箇所を「最も高いレベルに属するものとする」と書き換えた(D)が誤りの肢として正解になった。高い/低いの1語入れ替えである。
レベル1は活発な市場における同一の資産・負債の相場価格そのもの(調整されていないもの)
類似の資産・負債の相場価格はレベル2に落ちる。同一か類似かでレベルが1段変わる。
時価には合理的に算定された将来キャッシュ・フローの割引現在価値も含まれ、公正価値と呼ばれることがある
2022年度問題3(1)(C)で正しい肢として出題された。観察可能な市場価格がなければ時価がない、というわけではない。
時価の算定は棚卸資産・有価証券・金融商品の設問の中に混ぜて出題される
2022年度問題3(1)は表題こそ棚卸資産(純実現可能価額)だが、4肢のうち2肢が時価の算定であった。単独の大問として出るとは限らない。
例
G社が保有する次の資産について、時価の算定に用いるインプットのレベルを判定する。
(1) 東京証券取引所に上場している株式X … 算定日に活発な市場で成立している同一銘柄の相場価格をそのまま用いる → レベル1
(2) 非上場の社債Y … 同業種・同格付の類似社債の市場利回りから割引現在価値を算定する → 観察可能な市場データで裏づけられているので レベル2
(3) 非公開会社の株式Z … 市場データがなく、自社の事業計画にもとづく将来キャッシュ・フローの見積りで評価する → レベル3
(4) 社債Yの評価にあたり、類似社債の利回り(レベル2)に加えて、流動性の低さを反映する独自の上乗せ幅(観察不能なレベル3のインプット)を用い、それが時価に重要な影響を与えている場合、社債Yの時価全体は レベル3 に分類する。最も優先順位の高いレベル1・2ではなく、最も低いレベルに引きずられる。
時価の定義に関する記述として正しいものはどれか。
時価の算定に用いるインプットのレベルに関する記述として誤っているものはどれか。
K社は非上場の社債を保有しており、その時価を、同業種・同格付の類似社債の市場利回り(観察可能)と、流動性の低さを反映する独自の上乗せ幅(観察不能)を併用して算定した。上乗せ幅は時価に重要な影響を与えている。この社債の時価はどのレベルに分類されるか。