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生保数理・公式・契約変更
契約者貸付を受けたまま延長保険に変えると、借りている分だけ話が2か所で変わる。原資(解約返戻金)から貸付金を引くのは当然として、試験では死亡保険金額も1からLへ減らすと決められている。この2か所目を落とすと、計算した答えが選択肢の範囲にすら入らない——貸付金の問題はここだけを見ている。
貸付金がある場合は、原資が に減るだけでなく、死亡保険金額も に減額される。この2か所を同時に動かすのが試験の標準設定。
契約者貸付や保険料振替貸付(SEI058)による債務が残ったまま延長保険・払済保険に変更する場合、生保数理の試験では次の3点セットが標準の設定である。10年分の出題(2017・2018・2021・2022・2025)でまったくブレていない。
① 生存保険金額を計算する際の原資は、解約返戻金から貸付金を差し引いた ② 延長保険の死亡保険金額は、変更前の死亡保険金額から貸付金を差し引いた に変更する ③ 貸付金についての利息は考慮しない
したがって延長保険の関係式は
原資は 、死亡保険金額は に減額する(2か所が同時に動く)
「変更時点の解約返戻金から貸付金を差し引き、延長保険の死亡保険金額については変更前の死亡保険金額から貸付金を差し引いた額に変更する」——2017年度問題1(7)・2018年度問題2(6)・2021年度問題2(6)・2022年度問題2(5)・2025年度問題1(6)の5年すべてがこの文言で出題している。
死亡保険金額の減額を落とすと答えが選択肢の範囲外に出る
2017年度問題1(7)(
設定:SEI055と同じ契約・同じ時点(、、
、死亡保障の原価 、 とする。10年経過時に貸付金 があり、原資を 、死亡保険金額を とする標準の取扱いによるとき、生存保険金額に最も近いものはどれか。
Q1と同じ設定で、延長保険の生存保険金額が発生しなくなる最小の貸付金 に最も近いものはどれか。
貸付金がある状態で延長保険に変更する場合の、生保数理の試験における標準的な取扱いはどれか。
契約者貸付等の債務がある状態での延長・払済変更。準備金から貸付金を控除した額を変更後保険の原資とするため、保険金額が減少する。
となる。 と置けば
である。②を落として死亡保険金額を1のままにすると、右辺の第2項がではなくになり、答えが選択肢の範囲外に出る——これが貸付金の問題の唯一にして最大の落とし穴である。
生存保険金が発生しない条件は、すなわち
である。分母がになる点に注意する(ではない)。貸付金が大きいほど原資も死亡保障の原価も減るが、原資の減り方()のほうが原価の減り方(、)より速いため、貸付金を増やすと生存保険金は減る。
払済保険の場合も考え方は同じで、原資に対して変更後保険金額を求める。
生存保険金が発生しない最小の貸付金は
。分母が であって ではない点が要(2025年度問題1(6)はこの を計算基数 ・ から求めさせる)。 と答えると選択肢に存在しない値になる。
貸付金の利息は考慮しない
問題文に明記される標準の約束事。 を変更時点まで利殖する必要はない。ただし 時点と 時点で貸付金の額が別々に与えられることはある(2018年度問題2(6)は 、 と別値)。
(1) の場合
貸付金がない場合の(SEI055)と比べると倍になる。
(2) 死亡保険金額の減額を落とすとどうなるか
となり、正しいから%ほどずれる。試験の選択肢は刻み程度なので、この差は確実に別の選択肢に着地してしまう。
(3) 生存保険金が発生しない最小の貸付金
分母のを忘れてと答えると誤り。なので正しいは必ずより大きくなる。
(4) の場合:。が(3)のに近づくにつれて生存保険金がへ向かうことが確認できる。