転換社債の会計処理
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ひとことで言うと
転換社債型新株予約権付社債は、保有者が将来株式に転換できる選択肢を持った社債。この「転換できる権利(オプション)」の部分を社債と分けて計上するのが区分法、一体として社債に計上するのが一括法。
新株予約権付社債(転換社債型)の発行会社側の会計処理比較。区分法(原則)では社債と新株予約権を分離計上。一括法(簡便)は全額を社債として負債に計上する。
数式で表すと
新株予約権付社債(転換社債型)の発行会社側処理。区分法(社債部分と新株予約権部分を分離計上)vs 一括法(全額社債として負債計上)。転換時は帳簿価額を払込資本へ振替。
試験に出る性質
なぜ区分法が原則か
社債部分(確定した債務)とオプション部分(不確定な権利)は経済的性質が異なるため、適切に分離して表示するべき、というのが区分法の考え方。オプションの公正価値(ブラック・ショールズ等)を用いて社債要素と分離する。
転換時に差損益を認識しない理由
転換は保有者の権利行使によるもの。会社は「転換前の帳簿価額」で資本に振替えるだけで、時価との差額を損益に計上しない。これにより転換の会計処理が株価に左右されない(資本取引の原則)。
社債の償却原価法との関係
区分法では社債の計上額(払込額-新株予約権価値)が通常額面より低くなる。この差額を満期まで利息法(または定額法)で按分し、社債の帳簿価額を額面に近づけていく(社債発行差金の償却と同じ考え方)。
例で見る
額面100、転換価格10円/株の転換社債型新株予約権付社債を95の払込みで発行。 区分法:社債部分(計算上)90、新株予約権(オプション価値)5と区分した場合 発行時:(借)現金95 /(貸)社債90 新株予約権5 転換時(全額転換):(借)社債90 新株予約権5 /(貸)資本金等95
つまずきポイント
- 「転換時の仕訳で差損益を認識しない」のが日本基準の処理。転換時の株価がどうであれ、帳簿価額をそのまま資本へ振り替えるだけ。P/Lへの影響なし。
- 区分法では新株予約権(オプション部分)を「純資産」に計上する。負債ではない。一括法では新株予約権を分離せずすべて社債(負債)に計上するため純資産は増加しない。
定着クイズ
区分法による転換社債型新株予約権付社債の発行時の会計処理として正しいものはどれか。
区分法で処理した転換社債型新株予約権付社債が転換された場合の仕訳として正しいものはどれか(社債帳簿価額90、新株予約権5、転換時株価等は無関係)。
区分法と一括法の比較について正しいものはどれか。
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