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会計・用語・資産・有価証券の会計
金銭債権は「あとで金銭を受け取れる権利」の総称で、商売から生まれたもの(売上債権)と、それ以外(営業外債権)に分かれる。この分け方は、貸倒引当金をどこに計上するか、貸借対照表のどこに並べるかを決める。もう1つの軸は「回収がどれくらい危ういか」で、こちらは一般債権・貸倒懸念債権・破産更生債権等の3区分になる。
上の段は「何から生まれた債権か」による分類で、短期貸付金は売上債権に入らない。下の段は「回収がどれくらい危ういか」による分類で、金額の計算は引当金の概念で扱う。
金銭の給付を受ける権利。営業取引から生じる受取手形・売掛金・電子記録債権(売上債権)と、営業外の貸付金・未収金・立替金などに分かれ、短期貸付金は売上債権には含まれない。取得時は債権金額をもって貸借対照表価額とするが、債権金額と取得価額が異なり、その差額が金利の調整と認められる場合は償却原価法(利息法が原則、定額法は継続適用を条件とする容認処理)による。貸倒見積高の算定では、一般債権・貸倒懸念債権・破産更生債権等の3区分に分ける。
1. 金銭債権の範囲
金銭債権は、金銭の給付を受ける権利をいう。営業取引から生じたかどうかで2つに分かれる。
・売上債権……受取手形、売掛金、電子記録債権 ・営業外の金銭債権……貸付金、未収金、立替金、未収収益など
短期貸付金は、返済期限が1年以内でも営業取引から生じたものではないので売上債権には含まれない。ここは繰り返し問われている。
2. 貸借対照表価額
取得時は債権金額をもって貸借対照表価額とする。ただし、債権金額と取得価額が異なり、その差額が金利の調整と認められる場合は償却原価法を適用する。利息法が原則で、定額法は継続適用を条件とする容認処理である。
3. 貸倒見積高の3区分
回収の危うさに応じて次の3つに分け、区分ごとに見積方法が変わる。
・一般債権……貸倒実績率法 ・貸倒懸念債権……財務内容評価法、またはキャッシュ・フロー見積法 ・破産更生債権等……財務内容評価法
具体的な金額の計算は「引当金」の概念で扱う。ここでは、まず債権を3つに区分するという順序を押さえる。
4. 手形と電子記録債権
受取手形や電子記録債権を満期日前に銀行等へ持ち込み、満期日までの金利相当額を負担して早期に現金化することを割引という。手形を仕入先などへ譲り渡すのが裏書譲渡である。
いずれも債権は消滅するが、支払人が支払わなければ譲渡人が支払う義務(遡求義務)が残る。この義務を時価で評価し、保証債務費用と保証債務を計上する。割引時に差し引かれる割引料は、支払利息ではなく手形売却損とする。
5. 利息の経過勘定
貸付金の利息は、受け取り方によって決算日の処理が逆になる。
・利息を元金返済時に後払いで受け取る……決算日までに発生した分は未収収益(未収利息) ・利息を差し引いて元本を払い込む(天引き)……未経過の分は前受収益(前受利息)
6. 債権の譲渡
金融資産の消滅は財務構成要素アプローチで認識する。譲渡した部分と残る部分(遡求義務など)を分けて考えるので、譲渡してもなお負債が残ることがある。
売上債権に含まれるのは受取手形・売掛金・電子記録債権で、短期貸付金は含まれない
2018年度問題2(4)は売掛金・短期貸付金・受取手形の3つを並べ、正しい組み合わせを選ばせた。短期貸付金は返済期限が1年以内でも営業取引から生じたものではないので営業外の金銭債権である。
手形や電子記録債権を満期日前に銀行等へ持ち込み、金利相当額を負担して現金化することを割引という
2022年度問題1(3)はこの利用方法の名称そのものを問うた。譲渡先が仕入先などの場合は裏書譲渡になる。
割引や裏書譲渡では遡求義務を時価で評価して保証債務を計上する
2025年度問題4(4)は、電子記録債権の一部を銀行で割り引いたときの保証債務を、遡求義務の時価相当額の割合から求めさせた。債権が消滅しても義務は残る。
利息を後払いで受け取る貸付は未収収益、利息を天引きする貸付は前受収益になる
2024年度問題1(4)は、後払いの貸付と天引きの貸付を並べ、決算日の仕訳に入る経過勘定の科目名をそれぞれ選ばせた。利率と期間が同じでも受け取り方で向きが逆になる。
貸倒見積高は一般債権・貸倒懸念債権・破産更生債権等の3区分ごとに見積方法が変わる
貸倒懸念債権には財務内容評価法とキャッシュ・フロー見積法があり、2021年度問題4(2)は両者の差額を、2025年度問題4(2)はそれぞれの金額を求めさせた。金額の計算は引当金の概念で扱う。
例1:利息の経過勘定(後払いと天引き)
X1年10月1日に 1,200,000円を年利3パーセント、期間1年で貸し付けた。決算日は3月31日とする。
(1) 利息を元金返済時に後払いで受け取る条件のとき
経過6か月分 1,200,000 × 3パーセント × 6/12 = 18,000円
→ 未収収益(未収利息)18,000円 を計上する。
(2) 利息36,000円を差し引いて 1,164,000円を払い込む条件のとき
貸付時に1年分の利息を受け取っているので、未経過の6か月分 18,000円 を繰り延べる。
→ 前受収益(前受利息)18,000円 を計上する。
同じ利率・同じ期間でも、受け取り方が違うと決算日に立てる経過勘定が逆になる。
例2:受取手形の割引
額面 2,000,000円の受取手形を割引し、割引料 30,000円を差し引かれて 1,970,000円を受け取った。遡求義務の時価を債権金額の1パーセントと評価する。
・当座預金 1,970,000 / 受取手形 2,000,000
・手形売却損 30,000 /
・保証債務費用 20,000 / 保証債務 20,000
割引料を支払利息としない点と、保証債務を同時に立てる点が要点である。手形が無事に決済されたら、保証債務を取り崩して保証債務取崩益とする。
売上債権に含まれるものの組み合わせとして正しいものはどれか。
受取手形を満期日前に銀行へ持ち込んで現金化した(割引した)ときの会計処理として正しいものはどれか。
利息を元金返済時に一括して受け取る条件で貸し付けた場合、決算日に貸主が行う処理として正しいものはどれか。