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DCF・WACC(割引キャッシュフロー法)

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投資理論公式

ひとことで言うと

企業価値は「将来のフリー・キャッシュ・フロー(FCF)を WACC(加重平均資本コスト)で割り引いた現在価値」。負債と株式それぞれのコストを資本構成比率で加重平均したものが WACC。

企業価値は負債(D)と株主資本(E)の合計。WACCは各コストを市場価値ウェイトで加重平均。FCFをWACCで割り引いた現在価値が企業価値(V)。E(60%)D(40%)企業価値 VWACC =E/V × r_ED/V × r_D(1−τ)(τ:実効税率)

企業価値 V は負債(D)と株主資本(E)の合計。WACCは各資本コストを市場価値比率で加重平均。FCFをWACCで割り引いて企業全体の価値を求め、負債を差し引くと株主価値が出る。

数式で表すと

WACC=EVrE+DVrD(1τ),V=tFCFt(1+WACC)t+TVWACC = \frac{E}{V}r_E + \frac{D}{V}r_D(1-\tau), \quad V = \sum_t \frac{FCF_t}{(1+WACC)^t} + TV

企業価値 = FCFをWACCで割り引いた現在価値。WACC = (E/V)rE + (D/V)rD(1−τ)。FCF = NOPAT + D&A − CapEx − ΔNWC。

WACC(加重平均資本コスト: Weighted Average Cost of Capital): WACC=EVrE+DVrD(1τ)WACC = \frac{E}{V}r_E + \frac{D}{V}r_D(1-\tau) ここで EE:株主資本の市場価値、DD:負債の市場価値、V=E+DV = E+D(企業価値)、rEr_E:株主資本コスト、rDr_D:負債コスト、τ\tau:実効税率。rD(1τ)r_D(1-\tau) は利息の税務上の損金算入効果(節税効果)を反映。 フリー・キャッシュ・フロー(FCF): FCF=NOPAT+減価償却設備投資ΔNWCFCF = NOPAT + \text{減価償却} - \text{設備投資} - \Delta NWCNOPAT=EBIT×(1τ)NOPAT = EBIT \times (1-\tau)ΔNWC\Delta NWC:運転資本増加分) 企業価値 =tFCFt(1+WACC)t+TV= \sum_t \frac{FCF_t}{(1+WACC)^t} + TVTVTV:ターミナルバリュー) 株主価値 == 企業価値 - 負債価値。

試験に出る性質

WACC は税引後の加重平均

負債コスト rDr_D(1τ)(1-\tau) を掛けるのは利息が損金算入され節税効果があるため。株主資本コスト rEr_E には節税効果なし(配当は税引後利益から支払う)。

FCF は「誰にも帰属しない前の」キャッシュフロー

FCF は利払い前・返済前のフリーな現金。これを WACC で割り引くと「負債+株式の合計」である企業価値が出る。

ターミナルバリューが大部分を占める

DCF(割引キャッシュフロー法)でも個別予測期間(5〜10 年)の FCF より、その後の TV の現在価値が全体の 60〜80% になることが多い。長期成長率仮定が重要。

例で見る

rE=12%r_E = 12\%rD=5%r_D = 5\%τ=30%\tau = 30\%E/V=60%E/V = 60\%D/V=40%D/V = 40\% のとき: WACC=0.6×12%+0.4×5%×(10.30)=7.2%+1.4%=8.6%WACC = 0.6 \times 12\% + 0.4 \times 5\% \times (1-0.30) = 7.2\% + 1.4\% = 8.6\%

つまずきポイント

  • WACC の計算で rD(1τ)r_D(1-\tau) を使う。「rD×τr_D \times \tau」(節税額)ではなく「rD×(1τ)r_D \times (1-\tau)」(税引後負債コスト)。
  • WACC で割り引く FCF は「全投資家(負債+株式)へのキャッシュ」。株主だけの配当ではない。FCF と株主への配当(DDM で使うもの)を混同しない。

定着クイズ

rE=10%r_E = 10\%rD=4%r_D = 4\%、実効税率 τ=30%\tau = 30\%E/V=70%E/V = 70\%D/V=30%D/V = 30\% のとき WACC はいくらか。

WACC の計算で負債コスト rDr_D(1τ)(1-\tau) を掛ける理由として正しいものはどれか。

FCF(フリー・キャッシュ・フロー)の計算で正しいものはどれか。

関連:#R028#R030

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