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確率・用語・標本分布族(χ²・t・F)
「母集団の分散が分からず、手元の標本だけから平均を検定・推定したいとき」に使う、正規分布によく似た少し裾の厚い分布です。標本標準偏差で代用するぶんだけ不確実さが増え、その分だけ正規分布より裾が厚くなります。
「母分散が未知で、標本の数も少ない」状況での平均の検定・推定に使います。自由度(標本サイズに関係する量)が大きくなるほど正規分布に近づき、実用上は標本が十分大きければ正規近似でも構いません。
標準正規分布(点線)とt分布(実線、自由度3)の比較。t分布は中心がやや低く、両端の裾が厚い。自由度が大きくなるほど正規分布に重なっていく。
t分布は、独立な標準正規 とχ²分布 を使って
定義
標本サイズ (自由度 )で母分散が未知のとき、平均の検定統計量
t分布の定義 で が従う分布は?
自由度 のとき、t分布はどの分布に近づく?
t分布が正規分布と比べてもつ特徴は?
母分散未知・小標本での平均の検定/推定に使う分布。自由度 で に収束。
直感的には次のように理解できます。母分散 が既知なら、標準化した平均 はちょうど に従います。ところが が未知で、標本標準偏差 で代用すると、 は分母自体がランダムに揺らぐぶん追加の不確実性を抱え、その結果として裾が厚くなります。この" を で代用したときの分布"がt分布で、自由度は です。
自由度 が小さいほど(標本が少なく の信頼性が低いほど)裾は厚くなり、極端な値が出やすくなります。逆に では が にほぼ等しくなり、t分布は標準正規 に収束します。実務では、母分散未知・小標本での平均の区間推定や、平均の差を調べるt検定の基礎分布として使います。標本が大きい(自由度が大きい)ときは正規近似で済ませて構いません。
正規より裾が厚い
を標本 で代用する不確実性のぶん、両端の裾が正規分布より厚い。
自由度で形が変わる
が小さいほど裾が厚く、 で標準正規 に収束する。
左右対称・平均0
0を中心に左右対称。平均は0( のとき)、形は正規分布に似る。
t検定・区間推定
母分散未知・小標本での平均の検定(t検定)や信頼区間の構成に使う。自由度は 。
自由度1はコーシー分布
自由度1のt分布はコーシー分布と一致する。原点を通る直線がランダムな角度で回転する「ルーレット」との交点座標がこの分布に従う(2022年度問題4(1)で出題)。コーシー分布は期待値・分散が存在しない特殊な分布。
は自由度9のt分布に従う。 が大きくなるほどこの分布は に近づく。