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統計・用語・仮説検定
母分散が分からず、標本も小さいときに母平均を検定する方法です。母分散を標本分散で代用するぶん不確かさが増えるので、正規分布ではなく裾の厚い 分布を基準に使います。これが「だから少し棄却しにくくなる」効果を生みます。
標準正規(緑)と (赤破線)を重ねた図。 分布は裾が厚いぶん、両側5%の臨界値が正規の より大きい になる。同じ統計量 でも、正規なら棄却・ なら棄却できない、と判定が変わりうる。
t検定は、母分散 が未知で標本サイズも小さいときに、母平均 についての仮説を検定する方法です。仮説検定や母分散既知のz検定では、標準誤差を真の から作れました。しかし現実には が分からないことがほとんどで、その場合は標本標準偏差 で代用します。代用するぶん基準分布が変わる、というのがt検定の核心です。一標本t検定の統計量は
使う場面
母分散 未知・小標本で母平均 を検定する。 を標本分散 で代用する。
統計量と基準分布
(自由度 )、、
t検定を使うのはどんな場面か?
、、、 のときの 値は?
同じ統計量 でも、z検定では棄却・t検定では棄却できないのはなぜ?
母分散未知・小標本で母平均を検定する。統計量は自由度 の 分布に従う。
t分布で見たとおり、 分布は正規分布より裾が厚く、自由度が小さいほどその傾向が強くなります。これが判定に効く具体例を、仮説検定の例とわざと比べてみましょう。仮説検定の例では で、臨界値 を超えるので棄却でした。いっぽうt検定で、(自由度 )、、、 とすると と、統計量の値はまったく同じ です。ところが 分布の臨界値は で より大きく、 なので、こちらは棄却できません。同じ でも、母分散未知でtを使うと裾が厚いぶん臨界値のハードルが上がり、判定がひっくり返りうるのです。これは「 を で代用した不確かさのぶん、結論を慎重にする」という保守性の表れです。
t検定は二標本にも自然に拡張されます。2群の母平均差を検定するとき、母分散が未知なら同じくtを使います(2標本検定では母分散既知のz検定を扱いましたが、その自然な拡張です)。2群の母分散が等しいと仮定できる場合は、両群をまとめてプールした分散 から標準誤差を作り、自由度 の 分布を使う「プールt検定」が標準です。等分散を仮定できないときは、自由度を補正するウェルチのt検定を使います。いずれの場面でも判断の軸は同じで、母分散が分かっていれば正規、分からなければtに切り替える、という対応関係を押さえておけば迷いません。
裾が厚い分だけ保守的
の臨界値は同じ水準でも正規より大きい(自由度15で )。同じ統計量でも棄却しにくい。
z検定との対比
母分散既知なら正規(z検定)、未知ならt検定。同じ でも判定が変わりうる(z:棄却、t:棄却せず)。
二標本への拡張
等分散仮定ならプールt検定(自由度 )、不等分散ならウェルチのt検定で自由度を補正する。
。
臨界値 と比べると で棄却できない。同じ でも、母分散既知のz検定(臨界値 )なら棄却だったのと対照的。