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統計・定理・仮説検定
「帰無も対立もどちらも1点だけ(単純対単純)」という最も単純な検定問題で、最も性能の良い検定はどう作ればよいか、に答える定理です。答えは「2つの仮説での尤度の比(尤度比)を計算し、それがある閾値を超えたら棄却する」というものです。
帰無仮説の密度 と対立仮説の密度 を重ねた図。尤度比
ネイマン・ピアソンの補題は、仮説検定の中でも最も単純な「単純帰無 対 単純対立
適用範囲
単純帰無 対 単純対立
、、
ネイマン・ピアソンの補題が適用できる設定は?
補題が与える最強力検定の形は?
、 対 で尤度比 から導かれる棄却域は?
単純帰無 対 単純対立 では、尤度比を閾値で棄却する検定が、与えられた有意水準のもとで検出力を最大にする(最強力)。
抽象的なので具体的に導いてみます。 の観測が 個あり、 対 とします。尤度は正規密度そのものなので、尤度比は となります。これは の増加関数です。したがって という棄却条件は、両辺の対数をとれば という単純な条件と同値になります。つまりネイマン・ピアソン検定は、この場合「観測した が大きいときに棄却する」という見慣れた片側のz検定にそのまま帰着するのです。閾値 は、 のもとで となるように決めます。
この補題が効くのは「単純対単純」に限られます。実務では対立仮説が範囲をもつ複合仮説のことが多く、その場合「対立側の尤度 」の が1つに定まりません。複合の場合にどう一般化するかは 最強力検定(UMPの存在条件)や 尤度比(一般化尤度比検定)で扱います。
最適な検定の形
で棄却する尤度比検定が、同じ のもとで検出力最大(最強力)。
閾値 の決め方
のもとで棄却確率がちょうど になるように (または同値な境界 )を決める。
片側検定への帰着
では が の増加関数。 で片側z検定になる。
指数分布での適用例(2021年度)
「ネイマン・ピアソン」タグの過去問(2021年度問題4)は正規分布ではなく指数分布(平均)を対象にした大問。対()の尤度比はの単調関数になり、最良棄却域はの形になる。の分布(指数分布の和)から有意水準を数値計算するところまでが問われた(の具体例)。
。
これは の増加関数なので 。NP検定は大きい で棄却する片側z検定に帰着する。