尤度比
知識マップ統計・用語
ひとことで言うと
「対立仮説のもとでの尤度」と「帰無仮説のもとでの尤度」の比です。値が大きいほどデータが対立仮説を支持していることを意味し、棄却域を作る材料になります。単純な比はネイマン・ピアソン用、複合仮説には推定値を入れた一般化版を使います。
自由度1の 分布の密度曲線と、その上側5%点 より右の棄却域(斜線)。一般化尤度比検定の統計量 は帰無仮説のもとで近似的に 分布に従い、この棄却域に落ちれば棄却する(ウィルクスの定理)。
数式で表すと
対立と帰無の尤度の比 。値が大きいほど を支持し、棄却域の構成に使う。多くの分布で十分統計量の単調関数になる。
試験に出る性質
定義
。対立と帰無の尤度の比。大きいほど を支持。
単純対単純での用途
そのまま で棄却するのが concept: ネイマン・ピアソンの尤度比検定。十分統計量の単調関数になりやすい。
一般化尤度比検定(GLRT)
複合仮説には 。 は制約付き、 は制約なしのMLE(concept: MLE)。
ウィルクスの定理
のもと 大で 。dfは制約なしと の自由パラメータ数の差。
正規平均検定の例
既知分散の では 。 の関係そのもの。
例で見る
既知分散の正規平均検定 対 では、一般化尤度比から 。 これは自由度1の 分布に従い()、 を超えれば有意水準5%で棄却する。
つまずきポイント
- 単純対単純の尤度比(concept: ネイマン・ピアソン)と複合仮説のGLRTを同じものと思う(後者はMLEを代入し を使う別物)
- ウィルクスの定理のdfを「パラメータ数の合計」などと間違える(dfは制約なしと の自由パラメータ数の差=制約の本数)
- が小さいのに 近似を信頼しすぎる(ウィルクスは漸近結果。小標本では近似精度に注意)
定着クイズ
一般化尤度比検定(GLRT)の統計量 で は?
ウィルクスの定理で が従う分布と自由度は?
既知分散の正規平均検定 で は何に等しいか?
この用語を扱う問題(1)