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損保数理・用語・経験料率・クレディビリティ理論
「今年たまたま事故が多かった契約者」の保険料を、その契約者自身の実績だけで決めると振れが大きすぎる。かといって集団全体の平均だけで決めると、その契約者固有のリスクの高さ・低さを反映できない。ビュールマンモデルは、両者を信頼度Zという重みで混ぜ合わせ、「自分の実績をどれだけ信じるか」を数式で決める方法。
信頼度Zが大きいほど、推定値μ̂は実績平均X̄に近づく(Zが小さいほど集団平均μに近づく)。図はZ=0.7の例。
契約者のリスクパラメータをとしたときの条件付き分布を考える。全契約者に共通する集団平均を
v・wの不偏推定量の導出(ノンパラメトリック法)
特定の分布を仮定せず、実績データからv・wを不偏推定する手順(各契約者内の標本分散の平均でvを、契約者間の標本分散からを差し引いた残差でwを推定する)を導出させる設問がある(2016年度問題2Ⅱ(1))。最小二乗法の正規方程式からビュールマン推定量そのものを導出させる設問もある(2020年度問題3Ⅳ(1)、2025年度問題2(4)ア)。
信頼度Zと予測値の数値計算
実績データからv,wを求めを計算し、契約者ごとの翌年推定値
ある契約者について、過去3年間のクレームコストが 8, 10, 12(平均)であったとする。集団全体の平均は、過程分散の期待値、契約者間分散
ある契約者の過去5年間のクレームコストの平均は 、集団全体の平均は 、 であるとき、ビュールマンモデルによる翌年のクレームコストの推定値に最も近いものはどれか。
契約者間の体質差(リスクの異質性)が大きい集団ほど、ビュールマンモデルの信頼度Zはどうなるか。
ビュールマンモデルにおいて、観測年数nを増やしていくと信頼度Zはどのように変化するか(k=v/wは一定とする)。
クレディビリティ(信頼性)理論の基本モデル。個々の契約者の実績平均 と集団全体の平均 を信頼度 で加重平均して純保険料を推定する。 は観測件数 と、期待過程分散 ・仮説平均分散 から定まる。
で、翌年の予測値は自分の実績と集団平均の加重平均
となる。は「契約者内のばらつき」と「契約者間のばらつき」の比。契約者間のばらつき(体質差)が大きいほどは小さくなりZは1に近づく(自分の実績を信じてよい)。逆に契約者内のばらつき(偶然変動)が大きいほどは大きくなりZは0に近づく(集団平均を信じたほうがよい)。観測年数が増えるほどに近づく。
信頼度Zの単調性・上限
観測件数nを増やすとZが1に向かって単調に増加すること、あるいは特定の条件下でのZの上限(極限値)を問う設問がある(2024年度問題2(3)イ:c→∞でZ→1/5に収束)。「nを増やせば信頼度は必ず上がるが1を超えることはない」という単調性・有界性の理解が問われる。
ベイズ推定(事後平均)との数値比較
同じデータに対してビュールマンモデルとベイズ法(事後平均)の両方で予測値を計算させ比較する設問がある(2020年度問題3Ⅳ(2):ビュールマン推定3.57・ベイズ推定3.76)。ビュールマンモデルは線形近似(との加重平均)であり、一般には真のベイズ事後平均と一致しない(ポアソン-ガンマのような共役分布の組み合わせでは一致することが知られる)。両者を混同しない。
純保険料への応用・推定値の上限調整
ビュールマン推定値をそのまま契約者ごとの純保険料に用いると、極端な推定値が出た契約者の保険料が不安定になるため、上限を設けて調整する応用問題がある(2018年度問題3Ⅳ(2):一律純保険料400に対し上限2倍調整後の無事故者301.5)。
実績平均10と集団平均9の間に、信頼度に応じて按分された値になることがわかる。