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確率・用語・連続分布
対数正規分布は「対数をとると正規分布になる」正の値だけをとる分布です。( が正規)という形なので、小さい値に多く、右に長い裾を引きます。保険金額や損害額のように『ほとんどは小さいが、ときどき桁違いに大きい』データのモデルにぴったりです。
「正の値しか取らず、対数をとると左右対称(正規)になる、右に長い裾をもつ」データに当てはまります。多数の小さな要因が掛け算で積み重なる量(金額・価格・寿命)に自然に現れ、保険金額モデルの定番です。
対数正規分布とは、確率変数 の対数 が正規分布に従う分布、すなわち のときの
定義(指数変換)
のとき
とする。中央値 、平均
のとき対数正規分布に従うのは?
の対数正規分布の平均 は?
対数正規分布の和に関する再生性について正しいのは?
対数をとると正規分布になる正の連続分布。。保険金額のモデルに頻出。
側の代表値は次のようになります。指数関数は単調増加なので順位を保ち、 の中央値 がそのまま の中央値 に対応します(中央値 )。一方、平均は で、 のぶんだけ中央値より大きくなります。最頻値(モード、密度が最大の点)は で、これは中央値より小さくなります。まとめると という最頻値 中央値 平均の順序になり、これが右に歪んだ分布の典型的な並びです。分散は で、 が大きいほど裾が急激に重くなります。
ここで 正規分布との決定的な違いを押さえます。正規分布は再生性をもち、独立な正規分布の和もまた正規分布でした。ところが対数正規分布は和に関する再生性をもちません。2つの独立な対数正規分布を足しても、その和は対数正規分布にはならないのです(一方、正規が和で閉じているのは 側の話で、 側では積が対数正規で閉じる——対数をとると和になるため——という対応になります)。つまり対数正規の自然な演算は和ではなく積です。保険でいえば、独立な複数クレーム額を対数正規でモデル化したとき、その合計額は対数正規にならないので、合計の分布を扱うには近似やシミュレーションが必要になります。実務では損害額1件あたりの分布として対数正規が選ばれることが多く、この和で閉じないという性質は集計時の注意点として頻出します。
平均・分散
、。 が大きいほど裾が重い。
中央値・最頻値
中央値 (順位保存)、最頻値 。最頻値 中央値 平均の順(右歪み)。
和に関する再生性をもたない
正規分布と異なり、独立な対数正規どうしの和は対数正規にならない。閉じるのは積の側(対数で和になるため)。
保険でのモデル
クレーム額・損害額など正で右に裾が長い金額のモデルに頻出。合計額の分布を出すには近似やシミュレーションが要る。
最頻値 。順序は (最頻値 中央値 平均)。
分散 。 でも平均より分散が大きく、裾の重さが見て取れる。