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確率・用語・連続分布
2変量正規分布は、2つの変数 がペアで正規分布に従う分布です。等高線を描くと楕円になり、相関があるほど楕円が傾きます。最大の特徴は『2変量正規に限っては、無相関ならば独立も成り立つ』こと。一般には無相関でも独立とは限らないのに、正規だけは例外なのです。
「2つの量がペアで観測され、各々が正規分布に近く、散布図が楕円状に広がる」データに当てはまります。線形な相関で結びつく連続変数のペアに自然なモデルで、条件付き分布や線形結合の扱いが簡単になるのが利点です。
2変量正規分布の等高線は同心楕円。相関 なので楕円は右上がりに傾く。縦線 で切った断面(条件付き分布)
2変量正規分布(2次元正規分布)は、確率変数の組 がペアとして正規分布に従う分布で、
5パラメータで決まる
2変量正規分布に特有の性質はどれ?
のとき の平均は?
同じ設定で の分散は?
最も試験に出る性質は、確率変数の独立と無相関の関係です。一般論としては『独立ならば無相関』は常に成り立つ一方、その逆『無相関ならば独立』は一般には成り立ちません(相関の項で扱う通り、無相関でも依存していることがある)。ところが2変量正規分布に限っては、無相関 ならば独立も成り立つのです。これは正規分布だけがもつ特別な性質です。なぜなら2変量正規の同時密度は、 を代入すると指数部分が の関数と の関数の和にきれいに分かれ、密度全体が という積の形に因数分解できるからです。積に分かれること自体が独立の定義そのものなので、正規では無相関 独立が言えるわけです。一般の分布ではこの因数分解が起きないため、逆は成り立ちません。
もうひとつ重要なのが条件付き分布です。2変量正規では、片方を固定したときのもう片方の分布もまた正規分布になり、公式は です。条件付き平均が の1次式(直線)になっている点に注目してください——これがまさに回帰直線の母集団版で、傾き は単回帰の係数に対応します。条件付き分散 は元の分散 より小さく、 を知ったぶんだけ の不確実性が 倍に減ることを表します( が決定係数に対応)。さらに、2変量正規の任意の線形結合 もまた(1変量の)正規分布になります。具体例として で を入れると、条件付き平均は 、条件付き分散は なので (標準偏差 )です。もし なら条件付き分布は となり にまったく依存せず、独立であることと一致します。
無相関ならば独立(正規特有)
一般には無相関でも独立とは限らないが、2変量正規では 独立。密度が に因数分解されるため。
条件付き分布も正規
。条件付き平均は の1次式(回帰直線の母集団版)。
条件付き分散は縮む
。 を知ると の不確実性が 倍に減る( が説明力に対応)。
線形結合も正規
もまた正規分布になる。正規の和・線形変換に対する閉性が2変量でも保たれる。
条件付き平均 、条件付き分散 (標準偏差 )。
よって 。もし なら で に依存せず=独立と一致する。