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投資理論・公式・ポートフォリオ理論
「リターンは高いほどよいが、ぶれは嫌だ」という好みを1本の式にしたものです。期待リターンから、リスク回避度を掛けた分散を差し引き、その値がいちばん大きくなる投資比率を選びます。リスク回避度が大きい人ほど、危険資産への配分は小さくなります。
ポートフォリオの期待リターンから、リスク回避度を掛けた分散を差し引いた形の目的関数。これを最大にする投資比率が、そのリスク回避度のもとでの最適配分になる。個々の資産の期待リターンや分散・共分散そのものを求める手順は扱わない。
【目的関数の形】 平均・分散型の目的関数は の形をしています。
5年度6設問・合計10.0点で出題されている
2016年度(問題9(Ⅰ)(3)2.0点・問題9(Ⅱ)1.0点)、2017年度(問題9(Ⅲ)(3)2.0点)、2021年度(問題10(3)2.0点)、2023年度(問題11(1)(ウ)2.0点)、2025年度(問題11(2)1.0点)。いずれもポートフォリオ理論・資産配分の大問の中に置かれている。出方は「与えられた投資比率で目的関数の値を計算する」と「目的関数を最大にする投資比率を求める」の2段で、2016年度は同じ大問に両方が並んでいる。
係数の形は毎回問題文で与えられる
安全資産のリターンが 、危険資産の期待リターンが 、標準偏差が
安全資産(リターン )と、期待リターン ・分散 の危険資産1つに投資する。目的関数 を最大にする危険資産への投資比率はどれか。
問題文の目的関数が ではなく で与えられていた。 に と同じ数値を当てはめたとき、最適な危険資産への投資比率はどうなるか。
リスク回避度 が大きい投資家ほど、危険資産への投資比率と接点ポートフォリオの構成比はそれぞれどうなるか。
【安全資産と危険資産1つのとき】 安全資産のリターンを 、危険資産の期待リターンを 、分散を 、危険資産への投資比率を とすると です。これを代入して で微分し と置くと が得られます。分母の は を微分したときに出るもので、落とすと比率が2倍になります。
【係数の形は問題文が与える】 本試験は の値だけでなく係数の形そのものを毎回問題文で与えます。 の形と、 のように を含む形の両方が出ています。後者では1階条件が になるので となり、同じ数値を当てはめると前者のちょうど2倍です。公式を覚えて当てるのではなく、その問題の をその場で微分するのが安全です。
【危険資産が2つのとき】 安全資産を使わず、期待リターン 、分散 、共分散 の2資産に と を投じる場合は になります。共分散が入るのが安全資産ありの形との違いです。
【何が で動き、何が動かないか】 は に反比例して小さくなります。一方、危険資産どうしをどう混ぜるか(接点ポートフォリオの構成比)はシャープ比を最大にする点で決まり、 を含みません。「どう混ぜるか」は全員共通、「どれだけ持つか」だけが選好で決まる、というのが分離定理です。
1階条件が使えない出題もある
2017年度は安全資産を含む3証券について4通りのシナリオが並べられ、そのうち目的関数を最大にするものを選ばせる形だった。候補が離散的に与えられているので微分は使えず、各候補で を計算して比べることになる。「最大化」と書いてあっても常に微分の設問とは限らない。
なら 、 なら で、リスク回避度が小さいほど危険資産を多く持ちます。
同じ数値でも目的関数が で なら となり、ちょうど2倍になります。