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会計・用語・会計制度・ガバナンス
決算日を過ぎてから財務諸表を出すまでには数か月の間がある。その間に起きた出来事のうち、決算日にすでに火種があったものは金額を直し、決算日の後に新しく起きたものは金額を直さず注記する。判定の基準は「いつ起きたか」ではなく「原因となった状態が決算日にすでにあったか」である。
決算日の翌日から財務諸表発行日までに発生した事象のうち、原因が決算日にすでにあったものは金額を修正し、決算日後に新たに生じたものは注記する。
決算日の翌日から財務諸表を発行する日までの間に発生した、企業の財政状態および経営成績に影響を及ぼす事象。決算日現在すでに存在していた状態について追加的または客観的な証拠を提供する事象を修正後発事象といい、財務諸表の金額そのものを修正する。決算日後に新たに発生した事象で、翌期以後の財政状態および経営成績に影響を及ぼすものを開示後発事象といい、金額は修正せず注記する。どちらに当たるかは、事象の原因となった状態が決算日現在すでに存在していたかどうかで判断する。
1. 対象となる期間
後発事象とは、決算日の翌日から財務諸表を発行する日までの間に発生した、企業の財政状態および経営成績に影響を及ぼす事象をいう。決算日より前の事象は後発事象ではなく、通常の決算整理の対象である。
2. 修正後発事象
決算日現在すでに存在していた状態について、追加的または客観的な証拠を提供する事象をいう。財務諸表の金額そのものを修正する。
例:決算日後に得意先が倒産した。その得意先の財政状態は決算日現在すでに著しく悪化していた。この場合、倒産という事実は決算日時点の回収可能性についての証拠を提供するので、貸倒引当金を積み増して金額を修正する。
3. 開示後発事象
決算日後に新たに発生した事象で、翌期以後の財政状態および経営成績に影響を及ぼすものをいう。金額は修正せず、注記で開示する。
例:決算日後に発生した火災による重要な資産の滅失、決算日後の重要な合併・会社分割・事業譲渡、多額の増資や社債の発行、重要な訴訟の提起。
4. 判定の手順
(1) その事象は決算日の翌日から財務諸表発行日までの間に発生したか。ここに入らなければ後発事象ではない。 (2) 事象の原因となった状態は決算日現在すでに存在していたか。存在していれば修正後発事象、決算日後に新たに生じたものであれば開示後発事象。 (3) 開示後発事象については、重要性があるかを判断する。重要性が乏しければ注記も要しない。
決め手は(2)である。「決算日後に起きたから注記」と読むと、修正後発事象を全部取りこぼす。
5. 監査上の取扱いとの違い
監査基準では、監査人が通常の監査手続を実施する範囲を監査報告書日までとしている。会計上の後発事象の期間(財務諸表発行日まで)と監査上の期間は必ずしも一致しない。試験で問われるのは会計上の区分であり、修正するか注記するかの判断である。
後発事象の対象期間は決算日の翌日から財務諸表を発行する日までである
決算日より前の事象は後発事象ではなく通常の決算整理の対象になる。監査上の期間(監査報告書日まで)とは必ずしも一致しない。
修正後発事象は財務諸表の金額そのものを修正する
決算日現在すでに存在していた状態について追加的または客観的な証拠を提供する事象が該当する。決算日後に判明した得意先の倒産で、財政状態の悪化が決算日前から続いていた場合が典型である。
開示後発事象は金額を修正せず注記する
決算日後に新たに発生し、翌期以後の財政状態および経営成績に影響を及ぼす事象が該当する。決算日後の火災・重要な合併・多額の増資などである。
修正か注記かの分岐は、原因となった状態が決算日現在すでに存在していたかどうかである
発生した時期そのものではない。同じ訴訟でも、決算日前から係属していたものの賠償額確定は修正後発事象、決算日後に提起されたものは開示後発事象になる。
開示後発事象は重要性が乏しければ注記も要しない
翌期以後の財政状態および経営成績に影響を及ぼすかどうかで判断する。すべての事象を書き並べるものではない。
例1:修正後発事象
3月31日決算の会社が、5月20日に得意先A社の倒産を知った。A社の財政状態は決算日現在すでに著しく悪化しており、売掛金 4,000千円の回収可能性は低かった。
・倒産という事実は、決算日時点の回収可能性についての客観的な証拠を提供する
・貸倒引当金を積み増して、当期の財務諸表の金額を修正する
例2:開示後発事象
同じ会社の工場が5月10日に火災で焼失し、帳簿価額 60,000千円の建物が滅失した。決算日現在、火災の兆候は何もなかった。
・原因となった状態は決算日には存在していなかった
・当期の財務諸表の金額は修正せず、火災の内容と影響額を注記する
例3:判定を間違えやすい組み合わせ
(1) 決算日後に確定した係争事件の賠償額 … 決算日現在すでに訴訟が係属していたなら修正後発事象
(2) 決算日後に提起された新たな訴訟 … 開示後発事象
(3) 決算日後の多額の増資 … 開示後発事象
(4) 決算日後に判明した棚卸資産の著しい陳腐化で、原因が決算日以前の需要減少にあるもの … 修正後発事象
(1)と(2)は同じ訴訟という事象でも扱いが分かれる。事象の種類ではなく、原因となった状態がいつ生じたかで判断する。
修正後発事象と開示後発事象を分ける基準として正しいものはどれか。
3月31日決算の会社が5月20日に得意先の倒産を知った。この得意先の財政状態は決算日現在すでに著しく悪化していた。当期の財務諸表における取扱いとして正しいものはどれか。
次のうち開示後発事象として注記するものはどれか。いずれも3月31日決算の会社で、決算日後に生じた事象とする。
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