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投資理論・用語・株式投資分析
運用の目標を「指数に貼りつく」か「指数を抜く」かで分ける。貼りつく側は、どうやって少ない手間で指数を再現するかという技術の話。抜く側は、どこから超過リターンを取りにいくかという戦略の話になる。
株式ポートフォリオの運用スタイルを、ベンチマークとの関係で二分した枠組み。インデックス運用(パッシブ運用)は株価指数に連動するパフォーマンスをめざす運用で、銘柄の選び方に完全法・層化抽出法・最適化法の3つがある。アクティブ運用はベンチマークを上回るリターンをめざす運用で、銘柄の選び方にトップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチがある。アクティブ運用の付加価値は超過リターンをどれだけ生み出したかにあり、その成果は通常インフォメーション・レシオ(情報比)で評価される。
【インデックス運用(パッシブ運用)】株価指数に連動するパフォーマンスをめざす。ベンチマークからの乖離(トラッキング・エラー)を小さく保つことが目的で、銘柄の選び方は3つある。 ①完全法(完全複製法):ベンチマークの構成銘柄をすべて指数と同じ構成比で保有する。乖離はいちばん小さいが、銘柄数が多く売買コストと事務負担が重い。 ②層化抽出法:もともとは統計学の標本抽出の手法。母集団である構成銘柄を、業種や規模など相対的に同質なグループ(層)に分け、各層から銘柄を抽出して層ごとのウェイトを指数に合わせる。「層に分ける」段階が本質で、単に無作為に選ぶことではない。 ③最適化法:数理計画法の1つである2次計画法を利用して、より少ない銘柄数でトラッキング・エラーを最小化するポートフォリオを構築する。
【アクティブ運用】ベンチマークを上回るリターンをめざす。付加価値はベンチマークに対する超過リターンをいかに生み出すかにあり、銘柄の選び方は2つの向きに整理される。 ①トップダウン・アプローチ:景気・金利・為替などマクロ経済環境の見通しをまず立て、ポートフォリオのリターンに影響する要素(業種・投資スタイルなど)についての予想から、ポートフォリオの属性を意図的に傾ける。上から下へ降りる。 ②ボトムアップ・アプローチ:個別企業の調査・分析を積み上げ、株式の本源的価値に対して割安な銘柄を選ぶ。下から上へ積む。
【成果の評価】アクティブ運用の成果は通常インフォメーション・レシオ(情報比)で評価する。分子はベンチマークに対する超過リターン、分母はその超過リターンの標準偏差(トラッキング・エラー、アクティブリスク)。シャープ比が「安全資産に対する超過リターンを収益率の標準偏差で割る」のに対し、インフォメーション・レシオは基準をベンチマークに取り替えた同じ形をしている。
株式投資分析の大問の中で2年度出題されている
2018年度(問題13(3))と2020年度(問題14(3))の2年度・合計2.0点で出題されている。どちらも同じ大問の他の枝が資本構成・総資本コストやPERの計算であり、ポートフォリオ理論やCAPMの大問ではない。unitを株式投資分析に置いたのはこの置かれ方による。
2018年度は4記述から誤りをすべて選ばせる正誤問題
層化抽出法の内容、インデックス運用のもう1つの手法の内容、アクティブ運用の付加価値、アクティブ運用の成果を評価する指標という4記述が並び、誤っているものをすべて選ぶ形式(すべて正しい場合の肢もある)。誤りは1つで、完全法の説明に最適化法の内容を当てたものだった。手法の名前と中身の対応がそのまま得点になる。
2020年度は空欄3個の語句選択
インデックス運用の定義、その手法のうち2次計画法を使うもの、マクロ経済環境の見通しから属性を傾けるアプローチの3か所を空欄にし、8個の選択肢(重複選択可)から語句を選ばせている。誤答肢には層化抽出法・ボトムアップ・マーケットニュートラル・ミドルアップダウンが並ぶ。2018年度と問われている中身は同じで、形式だけが正誤から語句選択に変わっている。
構成銘柄が225銘柄ある指数に連動させたいが、全銘柄を売買するとコストが重いとする。業種ごとに層を作り各層から代表銘柄を選べば層化抽出法、2次計画法で乖離が最小になる組合せを解けば最適化法、225銘柄すべてを同じ構成比で持てば完全法になる。
株式のインデックス運用のうち、数理計画法の1つである2次計画法を利用して、より少ない銘柄数でトラッキング・エラーを最小化するポートフォリオを構築する手法はどれか。
アクティブ運用の成果を評価するインフォメーション・レシオ(情報比)の分母にあたるものはどれか。
景気・金利・為替などマクロ経済環境についての見通しをもとに、業種や投資スタイルなどポートフォリオの属性を意図的に傾ける運用のアプローチはどれか。