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畳み込み

知識マップ

確率公式

ひとことで言うと

「独立な2つの確率変数を足したとき、その和の分布がどうなるか」を計算する操作です。2つの密度を“ずらしながら掛けて足す”ことで和の密度が求まり、例えば一様分布2つの和は三角分布になります。

独立な一様分布U(0,1)を2個足すと、上段の箱形2つが畳み込まれて下段の三角分布になる様子独立な一様U(0,1)を2つ足すと…U(0,1):Xもう1個:Y↓ 畳み込み012和は三角分布(中央が出やすい)z=x+y

独立な一様分布 U(0,1)U(0,1) を2個足すと、上段の箱形2つが“畳み込まれて”下段の三角分布になる。中央(和が1付近)が最も出やすく、両端(0や2付近)はほとんど出ない。

数式で表すと

fX+Y(z)=fX(x)fY(zx)dxf_{X+Y}(z)=\int f_X(x)f_Y(z-x)\,dx

独立な確率変数の和の密度は各密度の畳み込み。一様2個の和は三角分布。

独立な連続確率変数 X,YX,Y の和 Z=X+YZ=X+Y の密度は、各密度の畳み込みで与えられます: fX+Y(z)=fX(x)fY(zx)dxf_{X+Y}(z)=\int f_X(x)\,f_Y(z-x)\,dx この式の意味は「和が zz になる組み合わせを全部足す」ことです。zz を固定して xx を動かすと、X=xX=x かつ Y=zxY=z-x(足して zz)という組み合わせがちょうど対応します。その密度 fX(x)fY(zx)f_X(x)f_Y(z-x)(独立なので積)を、あらゆる xx について積分して集めると、Z=zZ=z になる密度が得られる、という仕組みです。離散の場合は積分が和に変わるだけで、考え方は同じです。 最も分かりやすい例が一様分布2個の和です。X,YX,Y がともに U(0,1)U(0,1) のとき、和 Z=X+YZ=X+Y は区間 (0,2)(0,2) 上の三角分布になります。z=1z=1(ちょうど真ん中)になる組み合わせは「0.5+0.50.5+0.5」「0.2+0.80.2+0.8」「0.9+0.10.9+0.1」…と無数にあって最も多く、逆に z=0z=0 に近い(両方とも0付近)や z=2z=2 に近い(両方とも1付近)組み合わせはまれです。だから真ん中が高く両端が0の三角形になります。これは積分で書くと、重なり区間の長さがそのまま密度になることに対応します。 畳み込みは「和の分布=再生性」を調べる基本道具でもあります。例えば独立な正規分布の和はまた正規分布、独立なポアソンの和はまたポアソン、独立なガンマ(同じ尺度)の和はまたガンマ、といった再生性は、畳み込み積分(や母関数)を計算することで確かめられます。

試験に出る性質

和の密度の公式

独立なら fX+Y(z)=fX(x)fY(zx)dxf_{X+Y}(z)=\int f_X(x)f_Y(z-x)\,dx。離散では積分が和に変わる。

独立性が前提

畳み込みの式は X,YX,Y が独立で同時密度が積に分かれるときに成り立つ。

一様2個=三角分布

U(0,1)U(0,1) を2個足すと区間 (0,2)(0,2) の三角分布。中央が最も出やすい。

再生性の確認道具

正規×正規=正規、ポアソン×ポアソン=ポアソンなど、和の分布が同じ族になることを示せる。

母関数との関係

和の確率母関数・積率母関数は各母関数の積になる。畳み込みの“掛け算版”として計算が楽になることが多い。

例で見る

独立な X,YU(0,1)X,Y\sim U(0,1) の和 Z=X+YZ=X+Y の密度を z=1z=1 で求める。0<x<10<x<1 かつ 0<zx<10<z-x<1 を満たす xx の範囲は 0<x<10<x<1 なので fZ(1)=0111dx=1f_Z(1)=\int_0^1 1\cdot1\,dx=1。 三角分布の頂点(最も density が高い点)で、ここから両側へ直線的に0まで下がる。

つまずきポイント

  • 独立でないのに畳み込みの式を使う(同時密度が積に分かれることが前提)
  • 積分の中で fY(zx)f_Y(z-x) の引数を zxz-x ではなく xzx-z などと書き間違える
  • 積分範囲を無限のままにして、各密度の台(値が0でない範囲)による制限を見落とす

定着クイズ

独立な X,YX,Y の和の密度を与える畳み込みの式は?

独立な U(0,1)U(0,1) を2個足した和の分布は?

畳み込みの式を使う前提条件は?

この用語を扱う問題(1