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幾何分布

知識マップ

確率用語

ひとことで言うと

「成功か失敗かの試行を繰り返したとき、初めて成功するまでに何回かかるか」を表す離散分布です。コインの表が初めて出るまでの投げた回数、初めて当たりを引くまでのくじの回数などがこれに当たります。

こんなデータが従う

初めて表が出るまでのコイン投げの回数初めて当たりを引くまでのくじの回数初めて不良品が出るまでに検査した製品数初めて事故が起きるまでの年数初めて成功するまでの営業電話の件数

「成功確率 pp が一定のベルヌーイ試行を、初めて成功するまで独立に繰り返す」状況で現れます。指数分布の離散版にあたり、無記憶性をもつ唯一の離散分布です。

幾何分布の確率関数(p=0.4)。kが増えるほど確率は等比的(1-p倍ずつ)に減衰する12345678平均 1/pk(何回目で初成功)P(X=k)

横軸は初成功までの試行回数 kk(1,2,3,…)、縦軸は確率 P(X=k)P(X=k)kk が増えるごとに確率が (1p)(1-p) 倍ずつ等比的に減衰する。平均は 1/p1/p

数式で表すと

P(X=k)=(1p)k1p, E[X]=1/p, Var=(1p)/p2P(X=k)=(1-p)^{k-1}p,\ E[X]=1/p,\ \mathrm{Var}=(1-p)/p^2

初めて成功するまでの試行回数(または失敗回数)の分布。無記憶性をもつ離散分布。

acpassでは「初めて成功するまでの試行回数」を XX とする版を基本とし、XX1,2,3,1,2,3,\dots の値を取ります。 P(X=k)=(1p)k1pP(X=k)=(1-p)^{k-1}p の意味は、「k1k-1 回連続で失敗し((1p)k1(1-p)^{k-1})、kk 回目で初めて成功する(pp)」という積です。回数を重ねるほど確率は等比的に小さくなります。 平均は E[X]=1/pE[X]=1/p、分散は Var(X)=(1p)/p2\mathrm{Var}(X)=(1-p)/p^2。成功確率 pp が小さいほど、初成功までの平均回数 1/p1/p は大きくなります(p=0.1p=0.1 なら平均10回)。 幾何分布は指数分布の離散版で、離散分布で唯一の無記憶性をもちます:すでに何回失敗していても、次に成功する確率は常に pp のまま、過去の失敗回数は影響しません。なお「初成功までの“失敗回数”Y=X1Y=X-1」を変数にとる流儀もあり、その場合 P(Y=k)=(1p)kp (k=0,1,2,)P(Y=k)=(1-p)^k p\ (k=0,1,2,\dots)E[Y]=(1p)/pE[Y]=(1-p)/p と平均が1だけずれるので、問題文がどちらの定義かを必ず確認します。

試験に出る性質

確率関数と平均・分散

P(X=k)=(1p)k1pP(X=k)=(1-p)^{k-1}pE[X]=1/pE[X]=1/pVar(X)=(1p)/p2\mathrm{Var}(X)=(1-p)/p^2

無記憶性(離散で唯一)

P(X>s+tX>s)=P(X>t)P(X>s+t\mid X>s)=P(X>t)。過去の失敗回数は次の成功確率に影響しない。

指数分布の離散版

連続の待ち時間が指数分布、離散の試行回数が幾何分布、という対応関係。

負の二項分布との関係

rr 回目の成功までの試行回数は負の二項分布。幾何分布はその r=1r=1 の場合。

定義の流儀に注意

「試行回数版」X{1,2,}X\in\{1,2,\dots\} と「失敗回数版」Y=X1{0,1,}Y=X-1\in\{0,1,\dots\} で平均が 1/p1/p(1p)/p(1-p)/p に変わる。

例で見る

サイコロで初めて6が出るまでの回数(p=1/6p=1/6)。ちょうど3回目で初めて出る確率は P(X=3)=(5/6)2×(1/6)0.116P(X=3)=(5/6)^2\times(1/6)\approx0.116。 初めて6が出るまでの平均回数は E[X]=1/p=6E[X]=1/p=6 回。

つまずきポイント

  • 「試行回数版」と「失敗回数版」を混同し、平均を 1/p1/p(1p)/p(1-p)/p で取り違える
  • P(X=k)P(X=k) の指数を (1p)kp(1-p)^k p と書く(試行回数版では失敗は k1k-1 回なので (1p)k1p(1-p)^{k-1}p
  • 無記憶性を忘れ「何回も失敗したから次は当たりやすい」と考えてしまう

定着クイズ

幾何分布(試行回数版)の確率関数 P(X=k)P(X=k) は?

成功確率 pp の幾何分布(試行回数版)の平均は?

幾何分布がもち、ポアソン分布や二項分布がもたない性質は?

この用語を扱う問題(3