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ポアソン過程

知識マップ

確率用語

ひとことで言うと

一定の率λで、ランダムにイベントが発生し続ける過程です。一定時間内に何件起きるか(件数)はポアソン分布、次のイベントまでの時間(間隔)は指数分布になります。

こんなデータが従う

保険金請求の発生コールセンターへの着信地震や事故の発生ウェブサイトへのアクセス放射性物質の崩壊

「いつ起きるか予測できないが、平均的な発生率は一定」という状況のモデルです。ポアソン分布(件数)と指数分布(間隔)は、この1つの過程の2つの見方にすぎません。

ポアソン過程:到着時刻が散らばり、間隔は指数分布。下段は件数N(t)の階段関数間隔~Exp(λ)到着N(t)t

上段:到着時刻が時間軸上にランダムに散らばる(間隔は指数分布)。下段:時刻tまでの件数N(t)は到着ごとに1段ずつ増える階段関数(N(t)はポアソン分布)。

数式で表すと

N(t)Pois(λt), 間隔Exp(λ)N(t)\sim\mathrm{Pois}(\lambda t),\ \text{間隔}\sim\mathrm{Exp}(\lambda)

定義の柱は2つ:独立増分性(重ならない時間区間での件数は互いに独立)と定常増分性(区間の長さが同じなら、どこにあっても件数の分布は同じ)です。この2つを満たす計数過程がポアソン過程です。 この定義から N(t)Po(λt)N(t)\sim Po(\lambda t)(時刻0からtまでの件数)が導かれ、到着間隔は独立に Exp(λ)Exp(\lambda) に従います。λは「単位時間あたりの平均発生件数(率)」で、対象時間をtに変えると平均件数はλtに比例して増えます(ポアソン分布のλと同じ注意点)。 複数のポアソン過程を重ね合わせる(合成)と、率を足し合わせた1つのポアソン過程になります:率λ1\lambda_1λ2\lambda_2の独立な過程を合わせると率λ1+λ2\lambda_1+\lambda_2のポアソン過程。逆に、各イベントを確率pで独立に「採用」する間引き(thinning)を行うと、採用されたイベントは率λp\lambda pのポアソン過程になる。

試験に出る性質

件数の分布

N(t)Po(λt)N(t)\sim Po(\lambda t)E[N(t)]=Var[N(t)]=λtE[N(t)]=\mathrm{Var}[N(t)]=\lambda t

間隔の分布

到着間隔は独立に Exp(λ)Exp(\lambda) に従う(無記憶性をもつ)。

独立増分性・定常増分性

重ならない区間の件数は独立。区間の長さだけで分布が決まる(位置に依存しない)。

重ね合わせ(合成)

独立な率λ1,λ2\lambda_1,\lambda_2の過程を合わせると率λ1+λ2\lambda_1+\lambda_2のポアソン過程になる。

間引き(thinning)

各イベントを確率pで独立に採用すると、採用された過程は率λp\lambda pのポアソン過程になる。

例で見る

1時間あたり平均λ=2件の請求が発生するポアソン過程で、3時間で請求が1件もない確率は N(3)Po(2×3)=Po(6)N(3)\sim Po(2\times3)=Po(6) なので P(N(3)=0)=e60.0025P(N(3)=0)=e^{-6}\approx 0.0025

つまずきポイント

  • λtのtを忘れて、時間区間に関係なくλだけで計算してしまう
  • 到着間隔(指数分布)と件数(ポアソン分布)の式を取り違える
  • 複数の過程を合成するときに確率を掛けてしまう(正しくはλを足す)

定着クイズ

1時間あたり平均λ=4件のポアソン過程で、2時間でちょうど0件である確率は?

ポアソン過程の到着間隔が従う分布は?

独立な率λ₁とλ₂の2つのポアソン過程を重ね合わせると?

この用語を扱う問題(6